毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の原因
毛孔性苔癬の原因
毛孔性苔癬の原因
毛孔性苔癬の原因は、遺伝が土台といわれています
毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)の原因は、かつてはビタミンA欠乏による角質の異常促進と関連付けて考えられたり、皮脂腺の機能障害(皮脂腺の詰まり)や思春期のニキビや女性の肌荒れなどと関連付けてホルモンの変調による症状ではないかと考えられていました。
現在は、常染色体優性遺伝(つまり、「性染色体」でない「常染色体」にある因子で、両親に因子をもった人が片方でもいると男女の別なく必ず発現する遺伝因子)であるといわれています。
ただこれも、両親や肉親に毛孔性苔癬の人が確かにいるにもかかわらず、発症する人としない人がいること、発症している人も、いつのまにか治っていたり、また、いつのまにか再発症したりと不規則にサイクルをくり返すことなど、未だに根本的な原因は究明されずにいます。
毛孔性苔癬の別の原因をうかがわせる他の事情
上記のように「毛孔性苔癬は一種の「遺伝病」である」と簡単に結論づけられないことの根拠に、以下のような事情があります。
●家族の体型には関係なく、発症者には比較的肥満気味の人の比率が多い。
●特に女性の場合、月経の前後などホルモン分泌の移行期に発症する場合がある。
●アトピー性皮膚炎、花粉症、喘息、その他のアレルギー疾患を併発している人の比率が高く、毛孔性苔癬(肌のざらつき)がひどくなった後にアトピーが発症するなど、アレルギー症状の発症前に毛孔性苔癬がひどくなるなどの周期性がみられることもある。
●アトピー性皮膚炎の例とも関連して、無農薬野菜などの抗アレルギー食材を意識して摂ったり、浄化された水などを常飲することで症状がでなくなったという人もいる。
これらのことは、毛孔性苔癬が遺伝性の症状であるにもかかわらず、何らかの他の要因が発症に関与していることをうかがわせる左証ではないかと思います。
また、はじめてわたしが「毛孔性苔癬」という症状名と出会って以来、だんだんとご相談の件数、つまり発症される方々の数が、年を追うごとに多くなっているような気がします。
毛孔性苔癬の原因に対する推測
わたしは皮膚科の専門医でもなく、また研究者でもありませんが、大勢のお客様との今までのやりとりから、毛孔性苔癬の発症原因について、ある感触を得てきました。
結論からいうと、「毛孔性苔癬は遺伝因子が土台であっても、それだけでは発症しない。他の発症要因があって、はじめて発症する」というものです。以下は、その発症要因と思われるものです。
●肝臓機能の低下
●肌表面の抹消血管の閉塞で、肌表面の活性酸素の血液回収がうまくいってない。
●自律神経のリズムの変化によるホルモン分泌の変移
●なんらかの化学物質に対する反応
●なんらかのウィルス性要因
●アレルギー体質による発症(ある免疫系が亢進している状態)
こういった要素が、単発で、あるいは複合的に重なり合うことで毛孔性苔癬が発症していると思っています。
そのことを裏付けるように発症期間の短いお子様は、比較的、早期におさまってしまう傾向があり、発症期間の長い方であればあるほど、おさまるまでの期間も長い傾向があるように思います。
つまり、発症要因がひとつだけであれば、その根源を断つのにさほど時間はかからないが、複合的に発症要因が絡み合っている場合、そのひとつひとつを潰していかなければならない、という事なのではないかと思うのです。
毛孔性苔癬の原因に寄せて、もうひとつの提言
そして、もうひとつ最近痛切に感じるようになってきたことがあります。
毛孔性苔癬というものに、わたくしたちが背負っている「時代」の一種の負の遺産が閉じ込められているような気がするのです。
上記の発症要因として推測したもののうち、複数の要件は人類が人為的に作り出した物質による弊害といって過言ではないのではないかと思うのです。
昭和30年代、わたしが生まれたちょうどその頃から、日本の食材に添加物が使われ始めるようになりました。味覚、色合い、香り、保存性、様々な要件を満たすための添加物が開発され、食卓を埋め尽くすようになった・・・それが昭和30年代後半だといいます。
その後、日本は高度経済成長期をむかえ、豊かさと引き換えにさまざまな公害問題を抱えるに至りました。
肝臓が処理しなければならない化学物質は、それ以前とは比べものにならないほど多岐にわたり大量になっていき、土や水に浸潤した化学物質は既知のものや未知のものも含め、時間を経ても、まだ残留し続け・・・
毛孔性苔癬について「30代にもなれば治ってしまいますよ」というお医者様の見解は、実は昭和30年代までは通用していたのかもしれません。
そのころまでは毛孔性苔癬とは、確かにそういった症状だったのだと思います。
今、毛孔性苔癬は、年齢によって平癒する症状ではなくなってしまった、という感想を持たざるを得ないのは、わたしだけではないはずです。
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