アメリカのサプリメント事情 Vol,2
けんこ~コラム・3
アメリカのサプリメント事情 Vol,2
健康について、日々、思ったことを徒然に書き留めています。
ゆがみすぎじゃないのかなぁ・・・日本の健康食品のイメージ広告
Vol,1で、アメリカのサプリメントの考え方、「DSHEA法」という法律をご紹介しました。アメリカでは健康食品の成分表示が義務づけられ科学的な裏付けがあれば具体的な効用を広告宣伝してよいことになっています。
また品質、内容物、使用法に関して、消費者からの求めに応じた詳細な情報の提供が義務づけられました。これは日本では考えられないことです。
成分表示が許されるのならまだしも「義務付け」られ、そのハードルをクリアするだけで効用を宣伝・表示してよいというのは、日本では医薬品に認められた取り扱いです。
当社にしてもホームページで表現できるのは「にんにく」と「卵黄」の働きまでしか書くことは出来ません。まだ「にんにく玉」や「熟成乾燥にんにく」の成分分析も出来ていませんが、もし全て分析しきったとしても、それで「製品自体」の効用を謳うことは禁じられています。
「DSHEA法」は健康食品メーカーにとっては、一方的に有利なだけではなく不利にも働きます。つまり、商品に市場原理が働きやすく、不当に高い商品や効果のはっきりしない粗悪品が、市場から排除されやすいということです。
わたしはあまりテレビは見ませんが、お昼時にタレントを起用して健康食品メーカーが自社の宣伝のためだけのテレビ番組を作り放送されているのを知って仰天しました。
「大地の恵みをたっぷりと、新鮮で安全な材料にこだわって」
このキャッチフレーズ・自社イメージに見合った居酒屋さんを番組内で紹介していました。
その日に市場に上がった新鮮な魚介類や徹底的にこだわった野菜・お醤油・お酒・塩を使ってもてなすご主人。この事とその健康食品と何の関係があるのでしょうか?
アメリカで仮にこのような広告をするメーカーは、早晩消費者に見放されてしまします。
しかし日本の特にテレビのような公共広告では、そのようにしか宣伝しようがないのです。
そのメーカーさんの製品は素材を厳選したすばらしい商品なのかもしれませんが、その製品を使うとどういう病気の予防になるのかという事までは直接表現できないのです。
これはメーカーの良識を正して誇大広告を排除する目的があるのかもしれませんが、逆に、これでは本当に必要な情報が消費者に伝えられない、広告如何で粗悪品がいかようにも売れてしまう、ということにならないでしょうか?
わたしはソフトカプセル製剤が、「大地の恵みを・・・」と言って売られているのを信じられない思いで見ているのですが・・・
この仕事をしていますと、とてもシニカルな現実に行き当たることが良くあります。
番組では市場でその日に上がった、汚染のない奇麗な地元の海で摂れた魚介類だけを出すご主人、それは素材に限界までこだる素晴らしい姿勢、お客さんに対する思いやりだと思います。
でも、例えどんなに新鮮だろうが、どんなに奇麗な地元の海で取れようが、太平洋のど真ん中、南極の沿岸で取れようが、魚介類は絶対、水銀に汚染されているということが健康食品の業界では常識のように語られています。
以前、厚生省が金目ダイやいくつかの魚類の水銀含有濃度を発表し、妊婦の摂食に注意を呼びかける発表をし大変な話題になりました。
ところが、これを健康食品の材料を卸す業者に言わせると
「何を今さら」というのです。
それを裏付けるように、翌週の週刊文春に「なぜ一番危険なマグロを長年発表しないのか」という記事が載りました。
現在の魚介類の水銀汚染は、水俣病の時のような企業の責任、産業廃棄物による汚染という性格のものではありません。
車に乗ったり、火力発電をしたり、ゴミを燃やしたり、紙を燃やすだけでも発生する物質が大気中をさまよって海に溶けてゆくのです。人である以上、誰もが責任者なのです。地球上でそのことから逃れている地域はありません。
にんにくには水銀を無害化する成分と水銀を積極的に排出する成分がどちらも沢山はいっています。
このふたつが一緒に入っていることに「にんにくの前世はお医者さんだったのか?」と、わたしなんかは感激してしまうのですが、どうしても食べ物で入ってくる悪いものを食べ物で出す。そういう体の仕組みと、それを備えた食べ物があるということで、まだ救いがあるというのが現代だと感じます。
わたしは、にんにくのことしか頭にありませんが、他の食品や健康食品にも良いものはいっぱい有ると思います。
でも特に健康食品は、それを直接、わかりやすい表現で販売してはいけないというのが、どうしてもわたしには不自然に思えてしまいます。
けんこ~コラム
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