「風邪は万病の元」の本当の恐ろしさ
けんこ~コラム・6
「風邪は万病の元」の本当の恐ろしさ
健康について、日々、思ったことを徒然に書き留めています。
風邪を本当にこじらせてしまうと免疫系に狂いが生じてしまうことがあります。
むかしから言われている「風邪は万病の元」という言葉は、風邪のような些細な病も放っておくと様々な病に転じるという文字通りの意味ですが、この放っておいた「風邪」が、どんな病に進展するか、本当に恐ろしいのはどういった事なのか、みなさん、ご存知でしょうか?
以前のメルマガで、日本のお医者さんが風邪に罹った子供たちに抗生物質を投与する理由が、肺炎、中耳炎、皮膚炎などの「2次感染症」予防のためで「風邪」を治す為ではない。また、その抗生物質の所為で、病原菌が抵抗力を持ち、逆に「治りにくい2次感染症」を爆発的に増やしているというお話を書きました。
これは風邪による免疫力の低下で、本来ならばかかることのない重度の感染症に罹ってしまうというケースです。
が、本当に風邪をこじらせてしまい、肺炎のような重い症状まで発展させてしまうと体内の免疫系が暴走を始めてしまうことがあます。
「風邪」が治った後、免疫組織が今度は自分自身の体内組織を間違って攻撃し始めるということが、時たま起きてしまうのです。
自分の体を守るためのメカニズムが、逆に自分のカラダを攻撃しはじめたとしたら・・・・
自分自身の運動神経をウィルスと思い込み・・・
想像出来ないかもしれませんが、例えば、白血球が貴方の運動神経をウィルスと思い込み、攻撃しはじめたとしたら・・・・
ヒドイ風邪を拗らせてしまった後、そんな、恐ろしい症状に発展する可能性があるのです。
こういった症状をひっくるめて「自己免疫反応」(自分自身の組織に誤って免疫反応が起きること)と呼んでいます。
これらは一般に治療が困難といわれる病の範疇です。
ちょっとビックリするような話ですが、体内の白血球には、いろいろな種類があり、体内に入ってきた細菌などの異物を食べてしまうもの、それよりも小さくて捕まえられないウィルスのような異物に「抗体」というベタベタしたたんぱく質の「鳥もち」を投げて固まらせるもの、また、それぞれの働きを示す白血球に「おまえが戦いに行きなさい!」と指令を下し、、戦いの後、異物の残骸や、戦いに負けた白血球をきれいに食べ尽くして掃除する親玉のような白血球、といろいろな種類があります。
これらは別の機会に詳しくお話するとして、風邪をこじらせて様々に病変が発展した場合、複雑な免疫系が対応し、一旦病を鎮めます。
ところが、これで終らず、倒した筈のウィルス(抗原)の形と筋肉の神経細胞(運動神経)の形が似ていたとすると・・・・こんどは白血球は、筋肉の神経細胞を攻撃し始めるのです。
最近になって、ウィルスや細菌がこの運動神経と極めて似た形であることが分かってきました。つまり、誰でも罹る可能性があるのです。
風邪・・・そしてギラン・バレー症候群に
この症状は「ギラン・バレー症候群」とよばれ、ヒドイ風邪を引いた1・2週間後、急に手足が動かなくなる、顔面が動かない、まぶたが閉じない呼吸が出来ない(!)…そんな症状が襲ってくる病気です。
日本では推定年間2000人が罹っているといわれており、うち1割の人が呼吸困難などで亡くなっています。
人工透析による血漿交換が治療法としてありますが、それでも回復には数ヶ月を要し、半年後に完治しているひとの割合は、(わずか!)6割です。再発率は、約5%。後遺症が残る方も多い病気です。
この病気に実際かかった友達が、わたしにはいました。
風邪が発端で、それでも家事と猛烈な営業をこなし続け、結果ギラン・バレーに倒れました。カラダも動かせず、表情も変えられず、もちろん言葉も、意思疎通のために指先を動かす事すらかなわなかったといいます。呼吸困難に陥る事もしばしばでベットに横たわる事、6ヶ月でした。
無事回復した後、いわゆる心理的なパニック障害に悩まされ、鬱症状から脱せない期間が続きました。
他の自己免疫疾患も「風邪」が引き金になることがあります。
自己免疫反応といえば、膠原病、橋本病、リューマチ、etc・・・・と、いわゆる難病といわれるものが多くあります。そのいずれも、風邪をこじらせた直後やつよいストレスを経た後だという、お医者さまの問診結果があります。
いずれも体内の免疫系が暴走し、通常ではありえない自己免疫反応を起こしてしまった結果、これらのケースに陥る場合が多いようです。
いずれの病も、治療法は免疫系の正常な働きを取り戻すために、長い時間をかけてリラクゼーション的な療法に取り組むか、はたまた対症療法的にステロイドに頼って、…命を削るか…です。
たかが風邪といって、見くびっていませんか?
ここでご紹介した、その後の病変は、誰もが罹る可能性がある病です。
風邪は見くびらず、はやくスッキリ治してください。
けんこ~コラム
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