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最近のお客様との一問一答
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「【にんにくを長期熟成】という言葉が随所に出てきますが、
イマイチ意味が分かりません!」
こんにちわ!
「にんにくを長期熟成」という言葉が随所に出てきますが、イマイチ
意味が分かりません。
我が家では、にんにくを擂ってフライパンに油を引いて炒めて頂きますが
アリシンは存在しないのですか?
よく炒めたら硬くなって、其れを砕けば粉になりますよね。
その粉は、ぜんぜん養分が駄目になっているのですか?
にんにくの事を追求していたら、日が暮れそうです。
熱を加えると破壊されると書いてあるし、でも、生は避けたほうが良いと言う感じの事も書いてあるし、なんだか難しいですね。
長期熟成について、分かりやすく教えてくださいませ。
よろしくお願い申し上げます。
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店主返答
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お世話になります。
サンキの山田です。
>にんにくの事を追求していたら、日が暮れそうです。
本当に、その通りですね。^^;
にんにくは調理の仕方によって、出来上がる栄養成分、残っている栄養成分が、まったく変わってしまいます。
>その粉は、ぜんぜん養分が駄目になっているのですか?
炒る時の温度にもよりますが、まったく栄養的にダメになっているということは有りません。
高温で加熱すればするほど、栄養成分で壊れてしまうものは多くなってしまいますが、ご家庭用のガスコンロでトロ火で調理するならば、残る栄養も、出来上がる栄養も有ります。
まず、ビタミン、ミネラルなど、にんにくにどっさり含まれている栄養素の中で加熱調理で壊れやすいものは、
・ビタミンC
・ビタミンB1
・葉酸(ビタミンB群のひとつ)
です。
このうち、にんにくを、まず「すり潰し」ておけば、にんにくのビタミンB1は、「アリチアミン」という、より強化された物質に変わって、熱に対しても壊れにくい性質を持ちます。
にんにくの細胞が「すり潰される」などして破壊されると、にんにくに含まれる「アリイン」という物質が、やはりにんにくの中の「アイリナーゼ」という酵素と出会い、分解されて「アリシン」となります。この「アリシン」がビタミンB1と結びつき、「アリチアミン」(活性型ビタミンB1)となっていきます。
ビタミンB1は、元々、熱に弱く、腸内吸収がしにくい成分で(どんなに食べても一回5~10 mgまでしか吸収されません)、汗や尿で排出されやすい性質を持っているため、体内に蓄えることができません。
これが、アリチアミンに変化すると、熱に強く、腸内吸収100%で汗や尿で排出されにくく、体内で蓄えが効くようになります。
もし、「すり潰さず」にんにくを加熱したら・・・・
まず、にんにくの酵素「「アイリナーゼ」が死滅してしまいますので、「アリイン」は「アリシン」に変化せず、そのまま残ってしまうことになります。
それと同時進行で、にんにくにごっそり入っているビタミンB1も破壊されていきます。
その結果、「アリチアミン」は出来ずに終ってしまいます。
いっぽう、「アリイン」は体内に吸収された後、体内酵素でも「アリシン」に分解されます。
「アリシン」は、調理の過程で「アリチアミン」や「脂質アリシン」「アホエン」「スルフィド類」など、刺激のない、より有効の高い成分に変化していくのですが、そういった変化をせず、「アリイン」状態で体内に吸収され、体の中で「アリシン」に大量に変化してしまう事になります。
「アリシン」にも抗コレステロール効果、ホルモンバランス調整、抗菌殺菌効果、などなどの有効性がありますが、なんといっても「臭いの素」成分でしかも、刺激性が強いという点があります。
「アリシン」は調理である程度、蒸散させ、他の刺激のない有効成分に変化させて摂取するのが最も望ましい摂取法です。
調理の過程で「アリシン」を発生させずに食べますと、刺激性の「アリシン」をそのまま、丸のまんま、体内で合成・発生させる事になりますので、翌日、猛烈な体臭がする、却って疲れやすくなるなどの弊害が起きてしまいます。
たとえば、「にんにくの丸揚げ」「にんにくの素焼き」などがこれに当たります。
これらの調理法は、食べたその時は「アリシン」が出来ていないため、口臭がしませんが、翌日、体内で生成された「アリシン」の所為で猛烈な体臭がする結果となります。
「生のにんにくは一日1片まで。加熱したにんにくは一日3・4片まで」と、よく言われますが、
・「加熱する前に、すり潰して一旦アリシンを発生させた場合」
と
・「すり潰す前に、加熱してしまい、酵素「アイリナーゼ」を死滅させて、「アリシン」を発生させなかった場合」
とでは、出来上がる栄養成分も違いますし、好ましい摂取量にも自ずと差が出来てしまうのです。
ですから、お客さまの調理法「すり潰して、加熱する」という調理は実は栄養を「生成させる」点からも栄養を「残す点」からも、理に叶った調理法だといえます。
また、一緒に調理する材料が油だということにも意味があります。
「アリシン」は何にでもくっつきやすい性質がありますが、特に油とくっつくと「脂質アリシン」となり、ビタミンEと同じ働きをする栄養素に変化します。
これを70℃~100℃までの、非常に低温な加熱を施しますと、さらに「アホエン」「スルフィド類」という有効成分に変化していきます。
(一般のご家庭のガスコンロでは、本当に非常に小さいトロ火で調理することが望ましい調理方法です)
これらは、にんにくの「脂溶性有機イオウ化合物」とよばれる、大変な有効成分です。それぞれ、強い抗酸化力をもち、滋養強壮、食欲増進、末梢血管拡張、抗血栓作用、抗コレステロール作用、脳活性、抗ガン作用・・・と様々な有効性を持っています。
さて、今までお話した「脂溶性有機イオウ化合物」は「アリシン」とビタミンB1や油がくっついて加熱調理された結果できた有効成分です。
これらは一様に「熱に強い」性質を持っています。
しかし、にんにくから出来上がる有効成分のうち、油とは関係なく、水に溶けやすい有効成分というものがあります。
これが「S−アリルシステイン」や「S−アリルメルカプトシステイン」といった「水溶性有機イオウ化合物」と呼ばれるものです。
これらは、先に申し上げた「脂溶性有機イオウ化合物」をさらに上回る抗酸化作用と、強力な有効性を発揮することで世界中で研究・治験が繰り返されている物質です。
これは、「すり潰す」「油で(低温)加熱する」といった方法では、生成することが出来ません。
この成分の素になる「γ-グルタミン-S-アリル-L−システイン」という成分が、長期に渡って熟成されることで、はじめて分解し、出来上がる有効成分です。
一般的には、「にんにく酒」がS−アリルシステインを抽出する方法として有名です。
ですが、半年以上の期間をかけても、非常に微量しか生成されないものです。
当社で販売している「熟成乾燥にんにく」は、無酸素の状態で独自の貯蔵法の下、3~4年の歳月をかけて熟成する事でグラムあたり、非常に高濃度の「S−アリルシステイン」「S−アリルメルカプトシステイン」を生成することに成功している製品です。
以上、わかりずらいご説明かとおもいますが、ご参考になりましたでしょうか?
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